婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑥ ~東京カレンダー風
婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑥ ~東京カレンダー風

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑥ ~東京カレンダー風

公開日:2025.1.4

前回のアーカイブ 

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?①

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?②

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?③

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?④

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑤


年末年始の連休、久しぶりに福岡に帰省してみた


福岡空港はおしゃれになっていてびっくりしたが

年末年始の帰省客でごった返している


日本語より中国語や韓国語の威勢のいい発音が聞こえてくる

活気はあるけど日本じゃないみたいだ

photo of people in airport

日本一空港と市街地への距離が近い福岡

空港から地下鉄で15分くらいで中心地 西鉄天神駅に到着する


天神から電車で南下していくと

風景は延々と続く田園風景へと変わっていく

ミレーの落穂拾い」を思い起こすと言ったら聞こえはいいが人の姿は見えない


実家の最寄駅に降り立って空気を思いっきり吸い込んでみた

「やっぱり東京より空は青いし、人も少なくていいな。」


夏に帰省すると夜はカエルの合唱がけたたましくて

間違いなく人間よりヒキガエルの多く生息していると思う


パーソナルスペースが保てない都会のイライラさはない

しかし、パーソナルな領域に土足でどたどた踏み込まれるのはしばしばである


「ただいま」

「おお、帰ってきたか」

玄関を開けるなり、待ってましたと迎えてくれる両親と親戚たち


「お久しぶりです」

「おお、ベッピンさんになっとるね」

「キャリアウーマンのお帰りたい」

と荷物を片付ける暇もなく矢継ぎ早に声がかかる


「まあ、座らんね」

と例の質問が弾丸のように押し寄せてくる


「結婚はせんとね?

こげんベッピンさんなら引く手あまたやろ」


「もう30歳ばすぎたとね。そりゃー、でけん。はよお嫁にいかんと。」


「彼氏くらいおろうもん?」


『でたー、結婚攻撃うるさいなあ。

東京ならパワハラ、コンプライアンス違反で大問題だわ。』

と心の中では思いつつ

ひきつりながら愛想笑いでかわす


こんな時はひたすらにこにことして何もしゃべらないのが得策である

『なんでこう田舎の人は、他人の結婚にしか興味がないのかな』

と早くも久しぶりの帰省を後悔した

family of different ages hugging


夜は酒豪たちの大宴会である


賑やかな喧噪の中

「パパ、これ作ってよ」

「おっ、任しとけ」

数年前に結婚した従兄弟のタカシがいた


喧噪の中で笑い合うタカシと奥さん、そして子どもたち

その光景がなんだか眩しく見えた


「タカシ君、幸せそうやね」

私がそう声をかけると、彼は照れくさそうに笑いながら言った


「まあね。

結婚してから、人生がちょっと落ち着いた気がするよ。

いろいろ大変なこともあるけど、

家に帰れば灯りがついてて誰かが待っててくれるってよかよ。」


「ふうん。そっか。」


心の奥で何かがじんわりと温かくなるのを感じた


「結婚は面倒というイメージがあるけど、”帰る場所”ができるっていいかもね。」


「チナミの朗報待っとるよ。」


「ありがと」



翌朝、早起きして初詣に出かけた


からんから~ん

紅白のひもを振って神社の鈴を勢いよく鳴らした


「努力しますので、どうか来年は大切な誰かと穏やかな新年を迎えさせてください」


自分磨き頑張って、また結婚相談所で新しい出会いを探してみよう


そう思いながら神社を後にした