婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑫ ~東京カレンダー風
※チナミの婚活日記シリーズ
36歳、早稲田大学卒
大手メーカー勤務
スラッと背が高くロングヘア チナミの婚活日記
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佐々木さんとの仮交際*¹ が順調に進む中、
結婚相談所の担当者から新しいお見合いの提案が届く。
「チナミさん、こちらお会いしてみるのはいかがですか?」とのメッセージ。
プロフィールを見てみると、佐々木さんとはまったく異なるタイプの男性だった。
- 名前:遠藤さん(39歳)
- 職業:外資系金融勤務
- 年収:1000万円以上
- 趣味:ジム通い、ワイン、海外旅行
- 印象:都会的で洗練された雰囲気

『外資系かぁ……。
高収入だし、憧れのタイプかも。』
佐々木さんの穏やかで家庭的な雰囲気とは正反対のスマートでアクティブな印象に興味が湧く。
「せっかくだし、一度会ってみようかな……?
こんな人普通に生活してても出会えないし。
結婚相談所婚活ってこんなチャンスあるんだ。」
結婚相談所では並行して何人交際してもOKなのが公然としたルールである。
だから「仮交際」と”仮”が付いている。
婚活カウンセラーさんも
「お互い複数交際しているお試し期間って感じなので
”彼氏彼女”という位置づけではなく
恋人未満です。」
と言っていた。


土曜日、待ち合わせは大手町のアマン東京のザ・ラウンジ。
33階のラウンジは見上げるほどにとても高い天井で
壁一面がガラス張り
東京のビル街が遠くまでよく見える
『おっしゃれ~』
「あっ、どうも」と声をかけてくれた遠藤さん。
この場所がピッタリの人だ。
スーツがビシッと決まっていて、
姿勢もよく、まるで映画に出てきそうな紳士的な雰囲気だった。
「はじめまして、遠藤です。」
「はじめまして。」
彼の低めの落ち着いた声と余裕のある笑顔に、
最初は少し緊張するが、会話が進むうちにだんだん慣れてくる。
「お仕事、お忙しいんでしょう?」
「そうですね。
海外出張も多いので、なかなか時間が取れないんで女性と出会うチャンスがないですね。
でも仕事は楽しいですよ。」
「すごいですね!どんな国に行かれるんですか?」
「最近はシンガポールやニューヨークが多いです。
でも、プライベートでは南フランスでのんびりワインを楽しむのが好きですね。」
華やかでクールな話しぶりに、聞いているだけで非日常を味わえる感覚がする。
『すっ、すごい世界で生きている人だな……。』
ワインや旅行の話題で盛り上がるが、
何ともいえず距離感を感じる瞬間は、しばしばあった。
「料理写真載せてましたね。
お料理されるんですよね?」
「はい、最近始めたばかりですけど、楽しくて。」
「いいですね。
でも、僕はほとんど外食なので、料理の腕は必要ないかも。
お互い家事なんかに時間を費やすよりも、
掃除ロボットとかできるだけアウトソーシングして
スマートな会話のキャッチボールを重視したいですね。
忙しいとどうしても食事は外食寄りになっちゃいますが、
それでいいと思っています。」
『あ、そういうライフスタイルなんだ。』
佐々木さんの「一緒に料理をする楽しさ」を大事にしていた考えとは、対照的だった。
遠藤さんはスマートで魅力的だけれど、「家庭的な温かさ」というよりは、
「刺激的で洗練された大人の生活」を楽しむタイプ。

帰り道、ふと考える。
『もし遠藤さんと一緒にいたら、海外旅行や高級レストランでの時間は楽しいかもしれない。
でも、家でゆっくり料理を作ったり、ほっこりする時間を持つことは難しそう……。』
「自分が求めている結婚の形」ってなんだろうかと思った。
普段の生活では決して出会えないタイプの人と、安心できる環境でじっくり話せる。
これこそが結婚相談所の魅力なのかもしれない。
『うーん。私ってちゃんと未来のビジョン考えてなかったかも。』
そう思ったとき、スマホにメッセージが届いた。
「こんばんは。
今日も料理しましたか?
寒くなってきたので、温かいスープが美味しいですよね。」
佐々木さんからだった。
スマホを見つめながら、ニヤニヤする自分がいた。
『佐々木さんに会って話してみたいな。』
結婚相談所では並行して交際するのがルールとはいっても、
遠藤さんに会って揺れ動くことに少しだけ胸がチクリと痛んだ。

*1 仮交際
お見合いをして、お互いが「もう一度会いたい」と申し出た男女がデートを重ねる期間。「お試し交際」期間といえる。
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