婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑭ ~東京カレンダー風
婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑭ ~東京カレンダー風

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑭ ~東京カレンダー風

公開日:2025.3.23

※チナミの婚活日記シリーズ

36歳、早稲田大学卒

大手メーカー勤務 

スラッと背が高くロングヘア チナミの婚活日記


前回のアーカイブ

 婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?


待ち合わせ場所の北の丸公園は、桜がちょうど満開。


ピンク色の花びらが風に舞い、心地よい春の香りが広がっている。

「桜ってなんか妖艶だな。」

うっとり眺めていると


「チナミさ~ん、ここここ。」

佐々木さんの声が聞こえてきて我に帰った。


まわりは家族連れやカップルなど花見客でにぎわっている。

桜舞い散る中、全身で手を振ってくれる佐々木さんがなんだかかわいらしい。


「チナミさん、こんにちは。」


佐々木さんは、いつもより少しカジュアルなニット姿だった。

穏やかな笑顔に、桜の景色がよく似合う。


「こんにちは!桜、すごくきれいですね。」


「喜んでくれてよかった。」


「もしかして朝早くから場所取りしてくれたんじゃないですか?」


「あはは、ここは場所取り禁止だからベンチに座ってただけ。

チナミさんが喜んでくれたならもう満足。」


「えっ、ありがとうございます。」


自然と笑みがこぼれる。


「お腹空いたから、チナミさんのお弁当早く食べたいな。」


さっそくお弁当を交換する。


「せーの、じゃーん。」


「わぁ、美味しそう!」


佐々木さんの作ったお弁当は、卵焼きにおにぎり、唐揚げと、どこか懐かしさを感じるラインナップ。

「すごい!卵焼き、めちゃくちゃ綺麗ですね!」


「実は、甘めの卵焼きが好きで…何度か練習しました。」

『こういうとこ、いいなぁ…。』


一方、チナミが持ってきたのは、彩り豊かな野菜の煮びたしや、手作りのサンドイッチ。


「おっ、チナミさんの美味しそう!」


「ありがとうございます。

でも、緊張して味が心配で…。」


「いただきまーす!」

さっそく一口食べた佐々木さんが、ふわっと微笑んだ。


「うん、美味しい。優しい味だ。」


「本当ですか?よかったぁ。」

自然と会話が弾み、お互いの好きな食べ物や思い出話を語り合う。


「こういう、のんびりした時間っていいですね。」

佐々木さんが桜を見上げながら、ポツリとつぶやく。


「はい。なんだか、ほっとしますね。」

遠藤さんの洗練さも素敵だけれど、こうやって桜の下で手作りの料理を食べる時間が今は何よりも心地よかった。


「あっ、チナミさん。もう、敬語やめない?」


「えっ、はい。あっ、そうですね。

じゃなくて、うん。」


「あっ、徐々にね。」


イチイチ笑いが起こり楽しくて

ふと、佐々木さんと一緒にいる未来を想像する。


『こういう穏やかな時間を、ずっと過ごせる人と結婚するっていいかもしれないな。』


プルプルっ。


スマホには、遠藤さんからのメッセージも届いていた——


チナミは、佐々木さんと並んで桜を見上げたまま、スマホには手を伸ばさなかった。




これまでのアーカイブ 

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?①

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?②

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?③

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?④

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?⑤

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも⑥

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも⑦

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも⑧

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも⑨

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?

婚活日記 お見合いは続くよどこまでも?



アーカイブ