ドキドキの電話 ~結婚相談所の場合
ドキドキの電話 ~結婚相談所の場合

ドキドキの電話 ~結婚相談所の場合

公開日:2024.4.14

横浜での宴会に向かって電車に揺られていた

3月の半ば

日も暮れた夕方6時すぎ

woman standing beside red train


もうすぐ着くなあなんて思っていると

珍しく娘から電話がかかってきた

今の若い子は電話なんかめったにしないものなのに


電車を降りてかけなおすと

「ママ~ちょっと代わるね」

と様子がおかしい


すると野太い大人の男性の声がした

「もしもし、お母さんですか?」


『えっ、誘拐?新手の詐欺?』

と一瞬でいろんな想像が走馬灯のように頭の中を駆け巡る


ドキドキしながら自分に落ち着くよう言い聞かせる


すると

「警視庁の〇〇と申します」

「えっ?」

やっぱり誘拐か、、、


「お宅の娘さんが午後6時過ぎにゲームセンターにいらっしゃいまして、

補導させていただきました」


「えええええ~~」


ただでさえ大きな私の声が

駅のプラットホームにさらに響き渡ったようで

一斉に周りの人が目を丸くして振り返った


「けっ、警視庁?

ほっ、補導ですか??」

あまりの驚きに電話を持つ手がプルプル震える


「東京都条例で中学生は親と一緒でも午後6時までしかゲームセンターとかいちゃいけないんですよ。」



当時娘は中学3年生

プリクラをお友達と撮っていて6時過ぎたことを気づかなかったらしい


午後6時5分にポンポンと

肩を叩かれ

「お嬢さんたち中学生だね」

と私服警官に声をかけられた


娘が振り向くと

私服警官おじさんが10人ほどいてギョッとしたらしい


父親が移動中だったため

母の私に電話がかかってきた


「申し訳ありません。

あの~、どこに迎えにいったらいいですか?」と聞くと


「今日は、このまま帰しますが以後親御さんが気を付けてください。

高校生だったら午後6時すぎても大丈夫でした。

あと2週間で高校生でしたね。」


とりあえず今回は事件性もないので放免


といっても

住所、名前、年齢、学校名

両親の年齢と電話番号もばっちり書かされた


こともあろうに学校帰りの制服のまま

新宿歌舞伎町近くのプリクラ機で写真撮っていた


きゃっきゃ言って写真が出てくるのを待っていたら

午後6時を過ぎていたのが事の次第


トラブルの多い歌舞伎町は青少年は特にマークされてるし

春休みで家出の増える季節で補導強化月間

恰好のロールモデル?


交通違反切符の本日のノルマ達成かのように

娘たちの補導が済むと

私服警官たちはぞろぞろと帰って行った模様


「あ~あ、制服で午後6時過ぎに歌舞伎町。

そりゃわかりやすく捕まるっしょ。

アホすぎる。」と我が家では苦笑


事件じゃなくてほんとよかったけれど

person standing while using phone



結婚相談所の婚活では

お見合い後にお互いの気が合い交際が成立すると

ファーストコールといって

SNSでメッセージではなく

生の声でお礼を言うルールになっている


電話する文化が無くなってきている現代

恥ずかしいやら

慣れないやらで

めちゃくちゃ緊張するらしい


その緊張が恋の始まり

portrait photo of smiling woman in a teal top talking on the phone


期待をはらんだ電話なら嬉しいけれど


「警視庁です」は

もうごめんしたい