秘密のお花見デート~まさかの差別化
秘密のお花見デート~まさかの差別化

秘密のお花見デート~まさかの差別化

公開日:2022.3.15

本日東京の気温は20度

桜の開花予報も聞こえてきている

桜の名所はいろいろあれど千鳥ヶ淵の夜桜は忘れられない思い出の1ページ

学生時代テレホンアポインターのバイトをしていた


そこに有名私立大学でバイト歴が長くクールなS先輩がいた

当時私は大学1年で先輩は3年生だったと思う

佐藤健似でめちゃくちゃかっこよかった

バイト仲間と雑談しているのはほぼみかけたことがなく

電話とりながらメモ紙にデッサンをしているのが芸術家肌でミステリアスな雰囲気も醸し出していた

女子たちは「かっこいいけど怖いよね~」と噂していた


たまたま先輩の前の席にすわった日、ジュースを飲んでいるのかと思ったらジュースを囲う紙からちらっとお酒のラベルが見えた

えっ???


思わず「もしやお酒ですか?」と話しかけてしまった

先輩は「秘密な」といらずらっぽく笑う


「そのかわり2人で花見に行こうか?」

お酒を黙っている件のトレードオフにしては超ナイスなお誘い

なんでダサい田舎者ののわたしと??と思いつつ

心の中では打ち上げ花火が上がる気分だった


連れて行ってもらったのは夜の千鳥ヶ淵

花見宴会でわいわいと人で埋め尽くされ座る場所もなかったので
ビール片手に欄干にもたれて桜を眺めて
桜の並木道を歩いた


池がちょうど鏡となってピンクの夜桜が水面に幻想的に映しだされて美しかった


「デッサンが得意で本当は美大に行きたかった」

「好きな女の子に告白したら女性しか好きになれないと振られた」

「今まで最高7股をして毎日彼女の家をくるくる渡り歩いていた」

とか他愛のない話も楽しかった


秘密のデートについて私はバイト先の仲良しの友人にも話さなかった

「誰にもしゃべらなかったんだね」


S先輩はこの「女子なのに秘密が守れる」がいたく珍しかったらしくおもしろがってくれて

その後も何度か飲みに連れて行ってくれた


女子の「秘密にしてね」のセリフは確かにあてにならない

仲良しの子には「秘密ね」と話して連鎖的に秘密でなくなっていくのはよくある日常

(私はおしゃべり好きだけれども人に言ってはならない秘密は棺桶まで黙って持っていける自信はある)

何が相手に刺さるかはホントわからない、、、

口が堅いのがウケたなんて

おしゃべりな私が意外と口が堅いのがギャップでよかったのか?

ないな~



ダサい田舎者の私を連れだしたのはほんの気まぐれだったと思うし

恋に発展することもなかったけれど

まさか私がS先輩と花見デートしたなんてバイト仲間は誰も想像つかないだろうなあといまだに一人ほくそ笑んでいる

春の千鳥ヶ淵を通るたびにニヤニヤしてしまう


芸術家肌で退廃的な雰囲気をまとう先輩

就職したとも聞かなかったからいまも自由人だろうか

おおよそ「安定」とか「留まる」とか似合わない人だったから結婚という形はとってないだろうなあ


私の記憶は切れ長の目ではにかんでいる先輩のまま千鳥ヶ淵に映し出されている

そんな桜の花が咲くころの思い出


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