縁は異なもの味なもの~切っても切れない不思議な縁
縁は異なもの味なもの~切っても切れない不思議な縁

縁は異なもの味なもの~切っても切れない不思議な縁

公開日:2022.9.1

心奪われた素敵な異性と赤い糸とつながっているかというとそうでもない

手繰り寄せても意中の相手とは切れてしまうのに

図らずも切っても切れない縁もある


私の初恋のお相手とは何度手繰り寄せようとしてもブッチっと切れてしまったが

「もう縁を切ろう」と何度思っても切れない不思議な女友達がいる


1つ年下の後輩ちいちゃん

背は高いが顔が男性のこぶしくらいの大きさで超小さい

しかし、かなりな天然


予備校時代に出会い大声で「マメせんぱ~い」と無邪気に呼んでくれるもんだから

大学受験に失敗したアホがバレバレなので

「先輩」はやめてといったら「マメちゃん」*¹と呼ばれるようになった

わざと呼んでいる小悪魔か超天然なのか見極めはできなかった


いつもぴょんぴょん飛び跳ねて「えっ、そうなの~」とか言っている

普段の会話は不思議ちゃんオーラを放ちまくっているが

真面目に勉強はするので受験生仲間としてはありがたかった


会話は天然だけど成績はよくて地元の有名大学に合格した

CAの難関試験にも受かっているのでやっぱり頭はいいらしい


天然な会話はカモフラージュか?

どうやって面接を突破したのか七不思議のひとつ


浪人生時代は勉強仲間だったので別段問題はなかったが

お互い学生になってから

彼女といて死にかけた

woman driving car on freeway


我が実家の車で出かけた際、彼女が運転の番

私は助手席に乗っていた

彼女が急にハンドルを切るので思わず持っていた缶ジュースをこぼした


「わっ」と私が言ったのが気になったのか

私の方を思いっきり向いてハンドル操作を誤り中央分離帯を突破


車道逆走


ピピー


クラクションを激しく鳴らして対向車が近づいてくる

ちいちゃんはパニックになり「え~、どうしよう」


とっさにハンドルを奪って

たまたまあった駐車場に滑り込み

サイドブレーキを引いて緊急停止した

対向車が「なんかおかしい車がいる」と気づいてよけようとしている光景を覚えている


アクション映画じゃないんだからあと一瞬遅かったら追突していた


こちらが逆走しているので自滅パターン

「ごめんね~」とちいちゃんは言ったがマジで彼女と一緒には死にたくないと思った


woman in gray tank top looking frightened

またある時は、

私のアパートにちいちゃんが遊びにきていて

「遊びにいこう~」と言って

一足先に彼女がドアを開けた


彼女が外に出たとたん

なぜか入れ替わりにおじさんが入ってきた

「ぎゃー、出てって」ととっさに追い出したが

ちいちゃんはそばにいたのに助けない


「誰なの~、なんか入ってきたね~」


『ええええ、ちょっと助けなさいよ!』

天然にもほどがある


新聞のセールスのおじさんだったとわかったがギョロっとした目で「ばかやろう」と言われてめちゃ怖かった


当時は護身術も身につけていなかったので追い出した後ブルブル震えたのを覚えている



「絶対ちいちゃんとは縁を切ってやる」と思った

two women sitting on white bench


そうはいっても

「マメちゃ~ん」と屈託のない笑顔でぴょこぴょこ近づいてくる彼女が憎めない

あの笑顔をみていると小悪魔じゃなくて天然だからしょうがないかと思ってしまう



そんな彼女が結婚する際は

旦那さんに「ほんとにちいちゃんでいいんですか?」と

思わず真顔で聞いてしまったので怪訝な顔をされた


本気で心配していたが幸せな家庭を築いて

子どもを有名大学に通わせているようだから本当は天然じゃなくて策士かも


ひょっこり10年ぶりに連絡が来て東京で再会


屈託のない笑顔で「マメちゃん元気~」と言われて

もう一生騙されてしまうなとまた思ってしまった


彼女とはどうも切れない縁

初恋の人と切れない縁だったらもうちょっとよかったんだけど


縁は異なもの味なもの、、、、


*1 大学生になるまで幼少期から私のあだ名は「マメちゃん」。身長が低かったのと名前が「まみこ」だから


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