私の出会ったヤバい女  ~ヤバイお嬢様
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公開日:2023.12.16

電車に乗っていてぼ~んと足を投げ出していたり

ミニスカートなのにパンツが見えそうに足を広げていたりする女性をみると


「これは嫁にしたらあかん」


と心の中で合掌するとともに

こんなこと絶対しないであろう友人を思い出す


高校時代の同級生「麗子」さん


進学校とはいえ田舎の公立高校になぜかやってきた彼女

割と都会の方に住んでいるのに

電車にのって田舎に南下して通学していた


背中にかかるちょっと茶色のロングヘアは

サラサラでシャンプーのCMに出てきそう


すらっとしていて背は高く

肌は透き通って白磁のよう

顔も小さかった

博多人形の美人系みたいな顔立ち



私はマミコと言う名前と身長が高くないことから

「まめちゃん」と当時呼ばれていたが


彼女は独特の上げ下げするイントネーションで

ま↑ め↓ ちゃん↑と声をかけてくれていた

(音を皆さんにお伝えしづらい、、、)


歩き方も軽やか

背が高いゆえに

制服のスカートがふわりと揺れていたのが何とも優雅にみえた


彼女は涼しげな表情でよく文庫本を読んでいた


同じクラスになったことはなかったものの

私が本を読んでいる姿をみかけていたらしく

「何か面白い本があったらおすすめしてほしいな」と話すと


エミリーブロンテ「嵐が丘」

トルストイ「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」

遠藤周作「海と毒薬」


いろんなジャンルの本を貸してくれた


特にロシア文学に造詣が深くトルストイをおすすめしてくれたのは彼女だった。


すべて彼女が面白いという本をおすすめしてくれたけれど

浅はかな私はたまに本の深い意味がわからず

「うう、わからなかった」

と言った。


彼女はくすっと笑って

「また面白いの持ってくるわね」と言って

在学中、私の図書館になってくれた。


彼女のおかげで大量の本が読めた。


外交官の娘で

お城のような家に住んでいるという噂だった。


家に招かれた数少ない友人は

「ふわふわベットにレースのカーテンがかかっているのは初めて見た。」

photo of printed bed linen

「塀が終わらない。」

「お城みたいに豪邸だった。」

「高そうなカップに紅茶がでてきたよ。」

と興奮気味に話してくれた。


独特の感性をもっていたので

クラスではちょっと不思議ちゃん扱いされていたものの


「格が違う」

そんな感じを漂わせていた彼女。


育ちや生まれは自ら選べないものの

お嬢様の醸し出す雰囲気ってあるのねと感じた10代の頃。


うちの母親は「お育ちは大事よ。品で人は決まる。」が口癖だった。

麗子さんを思い出すと妙に納得。


そうはいっても麗子さんちとちがって一般家庭なんですけど我が家、、、

と心にひっかかりつつも

行儀作法の厳しかった我が家には感謝している。


私に文学の楽しさと品格をおしえてくれたすごヤバいお嬢様麗子さん。

あの独特のイントネーションはたまに私の耳に蘇る。


お見合い結婚でものすごい御曹司と結婚していてほしい。

広い芝生の庭付豪邸に住んでバラでも育てていてほしい。

そうでないと麗子さんに釣り合わない。


いつか会えたら優雅に紅茶いれてくれないかな。



御曹司を捕まえたければ自分も格を上げておかないと思うのでした。