恋愛大臣が選んだお相手
恋愛大臣が選んだお相手

恋愛大臣が選んだお相手

公開日:2023.12.19

学生時代、休肝日もないくらい毎日飲み歩いている日々だった。

会社員となると家賃など生活費は給料からまかなうことになるので


意外と飲み代の捻出が学生時代とちがって難しくなっていた。


どうにかタダ酒を飲める方法はないかと編み出したのが「合コン」だった。

結婚ギリギリまで合コンに行っていたことは夫には言ってない。

selective focus photography of several people cheering wine glasses


タダ酒が飲めるように合コンチームメンバーが命運を分ける。

おもてなしできるチームであること


その中で重要なセクシー部門を請け負っていた「サキ」


小池栄子と見まがうようなセクシーボディで美人


愛想もいいし

気が利くし

頭が切れて会話も楽しかった。


保険の営業をやっていたが

そのコミュ力を活かしてトップセールスを誇っていた模様。


なんちゅう完璧な女子だと思っていた。


他の合コンで出会って意気投合し

彼女とはチームを組んで毎週のように合コンに繰り出すようになった。


見た目ちょい派手なサキは学生時代からやはりモテたようで

かなりの恋の遍歴をもっていた。


高級なお店

おしゃれなお店

いろんな男性に連れて行ってもらったらしく詳しかった。



恋の質問は的確に答えてくれるので

仲間内で「恋愛大臣」と呼んでいた。


彼女が「あは」とにっこりほほ笑むと

なんとも言えない色気を放ち

こりゃ男性はイチコロだわと女性の私も思った。


「今日はダメかなあ。二次会は無しだね?」とか

合コンの途中でトイレで作戦会議もよくやっていたのが懐かしい。


もちろん彼女はモテモテ

毎度盛り上げ担当で幹事のわたしに「彼女の連絡先教えてほしい」とリクエストがきた。


とはいってもその場を楽しむだけで、彼女は軽く男性陣をあしらっていた。



とある広尾での合コン


お相手は大手企業の会社員の方々

なぜか女子の一人と男性が口げんかを始めるという不思議な事態勃発。


ざわついたものの、サキが止めに入りなんとか収まった。


その後しばらくして、

「Yさんと交際することになったんだ」

とサキから連絡がきた。


ちょっとした騒ぎがあったのにいつの間に話していたのだろうか。


Yさんと言われてもピンと来ず

後日、彼と一緒に飲もうと呼び出されても全く顔を覚えてなかった。


合コンでも一番さえない静かな男性だったYさん


その後半年もしないうちに

「結婚することにした」と報告が来た時には

めちゃくちゃびっくりした。


いくらでも彼女は

お相手が選べただろうに

失礼ながらどうして冴えないYさんだったんだろう。


何が彼女のアンテナを動かしたのかその答えがわからなかった。


そして答えは時を経た10年後にわかった。


Yさんは会社でどんどん出社して支社長まで40代で上り詰めた。

将来役員の道がみえているらしい。


同僚の人に聞くと彼は「上司にかわいがられる人」なんだとか。


彼女が独身時代に資産形成で購入していたマンションは

名義はちゃっかり彼女のままでローンはYさんが払ったらしい。

今ではピカピカのタワマンを購入し、2児の母で優雅に暮らしている。


Yさんがローンを払っていたマンションは

賃貸に出していて

お小遣いになっているという。


やるなあ


穏やかなYさんは怒ることもなく

喧嘩で彼女が何か「わ~っ」と言っても

言い返すこともなく喧嘩にならないらしい。


さすが恋愛大臣

外見ではなく

将来を見越したお相手選びの着地はお見事。


年齢があがるといろんなメッキは剥がれてくる。


豊富な恋愛経験から編み出した答えだったと思う。


その千里眼ほしい。