私の出会ったヤバいご夫婦?? ~結婚と子ども
私の出会ったヤバいご夫婦?? ~結婚と子ども

私の出会ったヤバいご夫婦?? ~結婚と子ども

公開日:2024.2.18


じっとしていられない私は出産後4か月目で合気道道場に戻った

産後にしては、かなり早い復帰である


しかも子連れって道場のみなさんの理解のおかげでしかない


仙台坂の上に私の通う合気道道場がある


ベビーカーに赤ちゃんを乗せてせっせと坂を登るのは楽ではないけれど

「合気道がまたできる」

「外で人と話せる」

と思うとはやる心を抑えて足取りは軽やかだった


日本の公共移動機関は意外とエスカレーターが昇りだけだったり

エレベーターが遠回りだったり

古い駅は階段しかなかったりと移動が大変


それでも時折ベビーカーを一緒に抱えてくれる男性がいたり

「赤ちゃんかわいいね」と話しかけてくれる人がいたりして

意外な交流ができると嬉しかった

cute newborn holding hand of unrecognizable mom


一人なら片道30分ほどのところ

ベビーカーを押していくと

プラス20分くらいはかかっていた


そのため道場への最後の坂は体力を振り絞って!といった感があった


坂の途中に看板の古くなった老舗薬局があり

いつも店主の年配の男性が入口に立ってぼんやり外を眺めていた


「先生(合気道師範)は、元気ですか?」とよく話しかけられた

坂を登る途中なので「はい」の答えも息も切れ切れ


よく「疲れてるの?」と言われたが

(当たり前やん)と思いつつ

「まあ」と答えるのが常だった


「毎回、連れまわして子どもがかわいそうだね」と言われ


さすがにムッとした表情を見せると

なぜか決まってオロナミンCをくれた

いわゆるコミュニケーションが不器用な昭和男性なんだと言い聞かせて引きつり笑いを見せていたと思う


そしてそこには決まって毎回「二人目は?」と聞いてくる中年女性がいた

私ももう一人ほしかったが


子どもは授かり物だし

すでに当時40才間近だし

なかなかコウノトリはやってこなかった


いわゆる二人目不妊という用語もある


漢方を試してみたり

妊娠しやすくなる産婦人科にも通っていた


そんな私の複雑な心境を知らずか

顔をみれば「2人目は?」はたまったものではなかった


田舎に帰省すると

独身時代は「結婚しないの?」攻撃をうけ

やっと結婚したら

「子どもは?」攻撃を受けるのに似ている


ますます若者は田舎に近寄らなくなると思う


ある日

「どうして2人目つくらないの?」

とあまりにしつこい言葉に

「簡単に子どもはできないんですよ。うるさいです。」

とご年配の女性に向かってさすがにキレてしまった


コミュニケーションや挨拶の一つかもしれないけれど

言われた方は笑えない


少子化対策としてアツい尽力なのかもしれないけれど

う~ん逆効果


数年努力したけれど

2人目はできなかったので

諦めざるを得なかった


娘が歩けるようになり

手を引いて坂を登るようになると

いつしかその薬局は無くなっていた


もうあのおじさんたちは亡くなったのかもしれない

お子さんはいなかったらしいと後々耳にした


だからやたら子どもに関心があったのだろうか?


いつの間にか新しいビルが建って

おしゃれなカウンターバーの店となり

跡形もなくなった


ここに薬局あったなあ

オロナミンCもらったなあと

懐かしくもあるけれど


なんとも微妙な思い出