港区女子
港区女子

港区女子

公開日:2024.2.14

義母が道で転び救急車で広尾の病院に運ばれたと聞き

大急ぎで娘と病院に向かう


眠っていて話せなかったものの

命に別状ないというので
起こさないようにそっと病院を後にした


映える写真命の中学生の娘とおしゃれなカフェに寄っていこうと

天現寺交差点の歩道橋を渡る


近くには慶応幼稚舎や聖心女子大もあるし

スーパーもいちいち洒落て

セレブ感漂う街


20年以上東京に住んでいても

「東京って感じだわ~」と

田舎者の私はいまだに場違い感を感じてしまう


歩道橋は古くて2人でやっと通れるくらいの幅で狭い


「栃木で見た空はもっと青くて澄んでいたけど

東京の空は霞んでる

排気ガスや光化学スモッグのせいかな」

と空を見上げていると


骨のあたるコツっと音がした


「痛っ。ええ?何が起こった?」


なんと女性がよけもせず真正面からぶつかってきた


娘と茫然と立ち尽くす


ぶつかってきたのは

「 CHANEL 」とロゴの入ったシャツに黒のタイトスカート

黒スパッツの黒ずくめの女性

スラッとしていてスタイルは良い


サングラスにも CHANEL の印字が入っていて

サイボーグのようにスタスタと何も言わずに歩いて行った

40代くらいの女性にみえた


ふと我にかえり

「ちょっと~ひどいじゃないですか」

と女性に向かって叫んでみたが

一瞬の揺らぎもなくスタスタと振り向きもせず遠くなっていった


TV「逃走中」に出てくるハンターみたい

ひたすら前進あるのみ


「なに~」と走って追いかけようとすると

娘に「ママ、大人になろう」とたしなめられる


「そっ、そうだね、、、」

殺伐とした人に関わってもいいことはない


心の中で

「きっと彼氏に振られたんだ。

いや独身のままだきっと。

気持ちは砂漠にいるのかもしれない。

幸せじゃない人だから許してあげたほうがいい」

と勝手に妄想を膨らませて心を落ち着かせることにした


「あれがいわいる港区女子って人でしょ?」と娘に聞かれ

「まあ、そうだね」と答えると


娘はマスコミで耳にしている港区女子の生態と合致したらしく

妙に納得していた


「私も麻布十番に通い続けて20年の

一応港区女子なんだけどね」と言っても

「違うでしょ」と失笑された


「港区女子」

ググると

~~~~引用はじめ

20代の女性を中心に、港区界隈(六本木、乃木坂、麻布、赤坂、高輪など)をオフタイムの活動拠点とし、ハイスペック男性たちを結婚相手として狙う女性たちのこと

~~~引用終わり

必ずしも港区に住んでいるというわけでなく港区界隈に通って美意識高くもち

お金持ち男性を狙うそんな女性たちのこと


麻布十番に通う目的が「合気道」と「浪花家のたい焼き」の私とはわけが違う、、、


確かにこの界隈きれいな女性を多く見かける

「港区女子」という言葉には

やっかみとしたたかさへの揶揄も入っている


なんとなく性格悪そう


いや性格悪いんだ思っておかないと

凡人からしてはなんとも腹落ちしない


と、他人が揶揄しても

婚活業界にいる身からすると

結婚に前向きで20代のころから

自分の最高値の時に最高値の相手を狙って

美意識と美を磨き

とても自分をわかっていてまさに婚活の鏡かもと思う



多くの人は

自分が最高値の時と結婚したい時期を合わせることができない


結婚したい気持ちのピークとモテる年齢のピーク

が合わず苦戦を強いられる


「仕事がひと段落ついてから」

「資格とってから」

なんて言っているうちに

残酷にも時間だけは経過していく


時が経ち自分を高く見積もってもらうには

それ相応の付加価値が求められる


若いときは何もできなくても「かわいいね」

年齢が上がると「家事の一つももできないの?」と言われてしまう


何かに夢中になって

時間の経過と歩んでしまった人は

内面の研鑽がより必要になってくる


美しさは若いときだけ


美しさだけに磨きをかけても

メッキは時と共に剥がれてしまう


何年も経った時

薄っぺらな中身でないように

柔軟さと知性を持ち合わせれば十分に勝算はある


少なくともブランド物で固めただけのあの歩道橋の「港区女子」にはならぬことを願いたい