入院初日のおかしな会話集

「う～ん、虫垂破裂が早いな。お腹痛いの気づきませんでしたか？」と医師に尋ねられ

「今日は歩くとズキズキ体に響きましたけど、

昨日はちょっと変な腹痛とは思いつつそんなでもなかったです。」

「相当痛かったはずだけどね～」

「お酒は関係ないですね。

痛みは上からおりてくるんだよね。

その胃痛は、虫垂炎の始まりです。

お酒で痛みが麻痺しちゃったね。アハハ」

「あああああ、あほですね私。」

ベテラン医師はウケたようだが次の言葉は、、、

「とりあえず抗生剤を点滴します。

痛みが消えてくるようなら薬が効いてるから手術しなくていいですよ。

ただねえ、血液検査の結果がよくないね。」

癌とかでもみつかったのかとこれまたビクビクしていると

「メタボだね」

「ええええええええ、私デブじゃないですけど」

「体重関係ないんだよね。

コレステロールと中性脂肪値が高いなあ。

そして肝臓のγGTPも基準値越えてる。

お酒控えた方がいいね。

どのくらいお酒飲む？」

「週１、２回です。」

「1回どれくらい飲む？」

「えっと、3缶くらいです」

「とすると週2回で6缶。

1日換算だと1缶毎日飲んでることになるね～。

飲みすぎ。」

盲腸の話よりもこっちの話の方がショックを受ける

お酒があああああああああああああ

茫然としているうちに点滴をさされ

「これから3日間絶食です。

食べたら治らないから。

お腹空かないと思うよ。

身体が治そうとして食事を欲しないから、お腹空いてきたら治ってきたサイン。

でも3日はかかるかな。」と私に告げると医師は去っていった。

3日絶食って、、、

ちょうど前週ファスティングで3日間絶食を経験したばかり

なんでまた、、、

また痩せると思えばいいかと思い直し

プスプスと数か所血液検査で青くなった腕の針の跡を恨めしく眺める

私は右手の血管が細くて注射針が入りづらい

「大丈夫、頑張ります」と看護師さんに言われて

「あっ、すいません」と余計に右手に針を刺されること2回

痛いのでここ頑張らなくていいんですけど　涙

とちょっとしたハプニングを思い返す

「メタボって、絶食って、γGTPってえええええええええ」

と衝撃を受けたままおとなしく横たわる

その日の遅くに着替えを持ってきてくれた夫に

メタボの話をすると大爆笑していた

（飲み会を止められるのでγGTPの話はしていない）

「明日から出張とマラソン大会だからもう来れないな。」と夫。

「ええええ、来ないの？

まあ死ぬ病じゃないからいいけど、

入院費払ってくれればいいです。」

と不思議な夫婦の会話を交わしながらも

バカな話ができる相手がいてくれてよかったと思う。

入院初日は心理的衝撃と痛みでほぼ動かず

不思議な夫婦の会話で幕を閉じた

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