医者と結婚するということ
医者と結婚するということ

医者と結婚するということ

公開日:2022.4.29

もうかれこれ15年前子宮にポリープやら腫瘍やらができて手術したことがある

そのおかげで夫と結婚できた話は別として

手術直後麻酔が覚めてから執刀医の先生がビニール袋を携えて嬉しそうにやってきた

透明なビニール袋にマカロニみたいな白い物体が大量に入っていた

「これが腫瘍です。芸術的にうま~く切除できたので記念に持ってきました。」

と少年のようなキラキラした笑顔で切除した腫瘍をみせてくれた

「ええええ」

気持ち悪いんですけど

先生は嬉しかったのかもしれないけれど素人の私にはその白い物体が衝撃的すぎた


しばらくはマカロニグラタンやうどんが出てくると食欲が一気に減退

今でも時折そのシーンを思い出すとウっと吐き気がくる


勘弁して先生!と思うものの

「レントゲンが天才的にうまく撮れた」

「歯型が芸術的にうまく取れた」

と喜ぶ歯科医の親族がいたんだったと思いだす

実は親戚に医者が多いのでどこか悪ければすぐ相談できたり時間外に診てもらえたりする

人の命を救うため志高い一方なかなか個性的


人口1,000人ほどの山奥の村が無医村というので診療所を開いて一生をささげた叔父がいた

亡くなった際には村人のほとんどが弔問に訪れたほど


村では人格者でも、気難しくて遊びに行くのに事前に連絡すると機嫌が悪い

突然訪問した方がよいけど「おう」しか言われた記憶がない

その代わり年賀状などは上手なイラストを描いてくすっと笑える文章を書いてくる紙上では饒舌な人

なんともつかみどころのない叔父だった

叔母は「ちょっと変わっとるけんね~」と九州弁で穏やかに笑っていた

叔父しかり、わが父をはじめとしてなかなか個性派ぞろい医師に囲まれていたもののそれが会社員になるまで異質な世界だったことに気付かなかった

photo of doctor saving patients life

厳しい命の現場にいる医師の給与は高い

そのため結婚相談所業界でも男性医師は大人気

申込する女性は引きも切らない

しかも美人ばかり


幸運にもお見合いが成立しても会社員とは違う世界の住民ということを認識していないとうまくいかない


学会で週末は結構いない

突然の呼び出しがかかったら放置される

勉強会と称して飲みながら徹夜で今後の医療について論議する

狭い独特の世界なので話題も偏る


週末は相手にされなくても

患者優先でデートで置いてけぼりになっても

エスコートが下手でも


気にしないで安らぎを与えてあげられるという人でないと恋人にも奥様にもなれない


高い給与は厳しい現場での対価であることを忘れてはならない


実は医者の妻は医者の娘が多い

多くを語らずとも事情がよくわかってくれるから


だから「医者の娘」とプロフィールに記載すると医者には刺さる

そして個性派にも耐えうるかなりの寛容さのご準備を